信州の気候風土が育んだ昔なが
らの民家を思わせる、本棟造り※の
民家風住宅である。白漆喰塗壁と黒褐色の太い柱や梁、重厚感の中に白と黒のコントラスト、生活からにじみ出てくる美しさ、言うなれば伝統美が民家風住宅の
特徴であり、良さである。そこに無駄な装飾は一切必要ない。清楚でシンプルだからこそ、その空間の主張する力強さと上品さに心惹かれ、美しいと感じる。
外壁、内壁ともに真壁造により表しになった柱や梁などの間に、白漆喰を塗り仕上げた。和室、書斎、廊下には京ジュラクを使用している。また、既設の建具や
材料を部分的に使用することで、味わい深い昔ながらの風合いを醸し出している。
屋根材にはカラーガルバリウム鋼板、サッシは木製サッシとカラーアルミ製サッシを用途により使い分け、床暖房を用いるなど、民家風住宅に現代の技術を組み
込んでいる。
※ 本棟造り
長野県地方に見られる民家形式の一つ。屋根は切妻・妻入り・板葺きで、緩い勾配のおおらかな印象を与える。
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