建設地は松本市街地北西部の丘陵地に位置する。敷地が傾斜
地（北から南へ下る傾斜）であること、また、敷地の形状が台形敷地であることから、連続性のある
外観を持つ鉄筋コンクリート造3階建ての住宅を計画した。外壁仕上はタイル貼り、柱・梁型はコンクリート打放し仕上である。タイルの色調と丸みを帯びた庇
部分が柔らかな表情を持たせている。傾斜地であることを利用し、松本市街地（国宝松本城を含む）を一望できる広めのバルコニーを設けた。
建築主のご要望はバリアフリー※住宅であった。アプローチにはスロープとステンレス製の手摺、開口部と通路は広巾なものに、玄関・便所・浴
室には手摺を、また、浴室には走行リフトを設けた。
住環境の整備は、高齢者が家にいて自立した生活を送ることを可能な限り継続させ、高齢者自身の自立と生活への意欲の拡大を図ることが重要である。このこと
が、高齢者の生きがいにつながり、家族関係の円滑化にもなっていくのである。
※ バリアフリー：主に障
害者や高齢者などの生活を不自由にしている住宅構造上の障害（バリア）のない状態。あるいは自立した活動を行えるように、生活の場や公共の場から障害を取
り除くこと。また、段差などの物理的障害の他、社会的・制度的・心理的障害を取り除くこともいいます。（Ｑ＆Ａ)にも住環境に関して載
せています。そちらもご覧下さい。）
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有限会社 松下企画設計事務所
